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【イベントレポート】nokutica Lounge as コシガタリ28 不動産の今と未来のカタリアイ~アイデアはマチに涌いている~【2018年7月26日開催】(3)
溝口のシェアオフィス「nokutica」を拠点に、定期的に開催されている異業種交流・コシガタリ。主催の越水隆裕さんは、賃貸物件5棟66室の不動産オーナー業、カラーリングリフォーム業のほか、地域活動にも積極的に参画されている溝の口のキーパーソンです。
7月26日に行われたコシガタリのテーマは「不動産の今と未来のカタリアイ~アイデアはマチに涌いている~」。明和住販流通センター・塩見紀昭代表がモデレーターに、パネリストに東郊住宅社・池田峰代表が登壇されるという超豪華キャスト。当エヌアセットホールディングス代表・宮川、当グループ企業イノベートバリュー代表・細山もパネリストとしてお話しさせていただきました。
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悩みや目標が同じ人を集めるシェアハウスは成功しやすい
塩見:細山さんの本、買いました。ちゃんとサインも書き入れていただきました(笑)
ビジネスモデルとして、シェアハウスに特化する形も面白いですよね。「シェアする」ことが今後ますます重要になってくると思いますが、シェアハウスの未来性についてどうお考えですか?
細山:冒頭で「不動産業界は入居者寄りでない」というお話がありましたが、シェアハウスは入居者寄りのサービスであり、オーナーさんの収益もきっちりもたらすビジネスモデルです。そもそもシェアハウスは、外国人向けのゲストハウスから派生したもので、礼金や仲介手数料というものは存在せず、敷金としてデポジットがあるのみです。
現在では、賃貸物件のモデルルーム化は各社でやっていますが、一般化されていなかった8年前、家具家電が備え付けてあるシェアハウスの物件には多くの気づきがありました。「ここで生活するイメージができる」というお客さんの反応を見て、通常の賃貸物件をステージングしたところ、客付がスムーズに運んだという副産物もありました。
シェアハウスでは、運営者と入居者との距離も近くなります。例えば、新しい入居者さんのためにウェルカムパーティをし、そこで運営者と顔を合わせることによって、入居者にとって支払いの優先順が高くなります。入居者同士の関係性が近いため、軋轢も生まれやすくなりますが、たとえ問題が発生しても、それがLINEやメッセンジャーで、私に連絡が来ます。「嫌になったから黙って立ち去る」ということがないんですよね。
塩見:弁護士や税理士など士業の試験を受けたい人だけが住めるシェアハウスで成功された方がいらっしゃいます。お互いを刺激し合い、高め合い、生活をする感じでしょうか。同様の例で、東大合格のためのシェアハウスもあります。同じ悩みや目標のある人が集まるのはいいかもしれないですね。
細山:4棟目にシングルマザー専用のシェアハウスをオープンしたのですが、その時は決して高尚な気持ちでやったわけではなかったんです。当時の人気テレビ番組の影響もあって、シェアハウスは需要よりも供給が伸びていました。だいたい、ターゲット自体が「30代の女性」と限定されていたんですよね。それで、新しいターゲットについて模索していた時、問題になっていた「川崎・横浜の待機児童」のニュースが目につき、シングルマザーが思い浮かんだんです。
実際、住まわれている方が他の方を見て、自らの仕事や子育てについて見つめなおしたり、刺激になったりしているようです。
賃貸物件を提供する上で重要なのは、住む街の「安心・安全」
塩見:不動産会社を経営している宮川さんと、不動産オーナーでもある越水さんがタッグを組んで事業やイベントを実施するというのは、業界でもかなり珍しいことだと思います。仕掛け人・キーパーソンが地元にいると心強いですよね。
越水さん、地元や入居者コミュニティについて、何かヒントがあれば教えてください。
越水隆裕さん(以下、越水):僕自身「まちづくりしています」というのは非常におこがましいことだと思っています。「自分の賃貸物件を満室にしたい」というのがひとつのテーマですべてそこにつながっています。
賃貸物件を提供する上で大事なのは入居者さんの「安心・安全」です。「グリーンバード溝の口」や「センベロ」や「センブラ」というイベントを主催していますが、これをやっている目的は「街の安心・安全を作る」ことです。「グリーンバード」では、家から、学校、駅、職場まで移動する間に、何人に挨拶できるか。挨拶できる人をどんどん増やして、競争しようと言っています。知らない人だらけの街よりも、知っている人がいっぱいいる街のほうが安心・安全につながるんです。
塩見:越水さんの所有物件の賃貸契約書に「笑顔特約」ってあるんですけれど、これって何ですか?
越水:重要事項説明書の特約事項のところに「笑顔であいさつしよう」というのを入れていて、契約時にも説明してもらっています。「もし笑顔であいさつしなかったら、退去になるぐらいの縛り」を僕はつけているんですが(笑)
よかったのは、「おはようございます」と自分が言ったら「あ、どうも。大家さんですよね」と入居者さんも気づいてくれることです。
入居者とのコミュニケーションで言うと、例えば「ご自由にどうぞ」と一言添えて、物件のエントランスにハーブを植えたりしています。その後、入居者さんから「ハーブの使い方を教えてください」とメッセージが来て、実際にそのハーブを使った料理の写真を送ったり。1株298円のハーブですがいい投資だと思っています。こういう些細なことが実はいい管理術なのかな、と。
塩見:越水さんの物件は、入居者さんが釘を打ったり、ペンキを塗ってもいいんですよね?
越水:我々の契約は「礼金なしの敷金1償却」なんです。部屋を出る時、どんな状態であっても敷金1は収めていただきます。
塩見:退去の時には「卒業制作」をするとか?
越水:「卒業制作」と「卒業作文」、どちらかをやってもらっています。
「卒業制作」はたとえばここにお花がほしかったとか、本当はウォッシュレットがあったら嬉しかったなど、思っていたことを、入居者さんに実現してもらうんです。次の入居者さんには「前の入居者さんからのプレゼントですよ」と僕が確実に伝えます。
「卒業作文」はこの部屋に住んだ感想を書いてもらい、内見の時に見てもらえるように物件内に貼ったり、客付してもらう不動産会社にニュースとして送っています。
「関係性を深める」「共感を生む」――やり方は違っても、根底にある思いは一緒
塩見:池田さんは今のお話を聞いて、不動産会社としてなるほどと思うことはありますか?
池田:「トーコーキッチン」は北口から歩いて2分、本社は南口から歩いて5分、そこを1日2、3往復するんですが、先ほどの越水さんのお話にもあったように、その間に何人の入居者さんとあいさつできるかを自分に課しています。
シェアハウスだとこのやりとりがぐっと凝縮されるでしょうし、関係性を深める上でも非常に重要なことですよね。
塩見:今日の来場者はオーナーさんが多いと聞いていますが、「こうすればもっと不動産屋さんが動く」などヒントがあれば教えてください。
池田:「関係性がある」ということをオーナーさんから入居者に働きかけてもらうということがすごく大事だと思っています。
当社に管理替えをしてくれたオーナーさんがいて、その入居者さんたちに事前にカードキーを届けたのですが、その後Twitterを見ていたら、「家にトーコーキッチンのカギが届いていて、思わず叫んだ。嬉しい!」とツイートしている子がいて。そのことをすぐにオーナーさんに知らせたら「うちの収益改善のために管理替えをしたのに、入居者さんが喜んでくれた、そういうこともあるんだ」とすごく喜んでくれて。それ以来、入居者の誕生日に、トーコーキッチンの100円ドリンクチケットを1000円分贈ってくれています。「オーナーから気にかけてもらっている」と入居者にも伝わったようで、その物件は退室も減りました。まさに、心が動いた瞬間ですね。
塩見:やり方は違うけど、ここにいるみなさんの思いは一緒ですね。
以前、宮川さんにお話を伺った時も「いろんなものを巻き込む」という話をされていましたが。
宮川:どう考えてもうちみたいな小さい会社が、自分たちだけの力で生き残れるわけがないんです。目的が一緒の仲間とどう組んでいくか。「巻き込む・共感」という目線で行くと、不動産会社、大家さんがどう「口コミ・紹介・リピート」を増していくか、そこに尽きると思います。みんなを巻き込んで共感を生むのが大事ですよね。
池田:管理会社もそれぞれですし、入居者との付き合い方もありますから、みんなが僕みたいなものを求めるのはちょっと違うと思います。それぞれの目線でどんなやり方を考えられるかどうかかと。
塩見:空室、空家も増え、少子高齢化。商店街はシャッター通りと言われ、将来は暗いという空気感がある。だからこそ、入居者と密に絡む、寄り添うという行動が必要なんでしょうね。本日はありがとうございました。
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2018年08月13日
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