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どう判定される?相続で事業を承継したときの「消費税」納税
以前、こちらのブログで事業承継税制の特例について紹介しましたが、実際に事業を引き継いだ後「消費税の納税義務がどうなるのか」と質問されることがたびたびあります。
今回は、相続により事業を引き継いだ場合の、納税義務の判定について説明します。
■個人事業者の「消費税」納税の仕組み
個人事業者の消費税の納税義務は、「2年前の1月から12月」の課税売上高(消費税抜きの売上高)が1,000万円以上の場合に発生し、1,000万円以下の場合には免除されます。
■相続人の「消費税」納税義務の判定
「免税事業者」が相続により事業を承継した場合、相続人の納税義務は次のように判定されます。
(1)相続が発生した年・・・被相続人の課税売上高で判定される
・相続が発生した年の基準期間(2年前の1月から12月)における、「被相続人」の課税売上高が1,000万円を超える場合は、相続があった翌日からその年の12月31日までの間の納税義務は免除されません。
・相続が発生した年の基準期間における、「被相続人」の課税売上高が1,000万円以下の場合は、相続があった年の納税義務は免除されます。
※ただし相続人が課税事業者の場合、納税義務は免除されません
(2)相続が発生した年の翌年または翌々年・・・被相続人と相続人の課税売上高の合計額で判定される
・相続が発生した年の翌年または翌々年の基準期間における、「被相続人」の課税売上高と「相続人」の課税売上高の合計額が1,000万円を超える場合は、相続があった年の翌年または翌々年の納税義務は免除されません。
・相続が発生した年の翌年または翌々年の基準期間における、「被相続人」の課税売上高と「相続人」の課税売上高の合計額が1,000万円以下の場合は、相続があった年の翌年または翌々年の納税義務は免除されます。
※ただし相続人が課税事業者の場合、納税義務は免除されません
■相続人が2人以上いる場合の「消費税」納税義務の判定
相続人が2人以上いた場合、相続財産が分割され事業承継相続人が決定するまでの間は「各相続人が共同で事業を承継した」ものとして扱われます。
(1)相続が発生した年・・・(被相続人の課税売上高)×(民法上の相続分の割合)で判定される
・相続が発生した年の基準期間における「被相続人」の課税売上高に、「各相続人の民法上の相続分の割合」を乗じた金額が1,000万円を超える場合は、相続があった翌日からその年の12月31日までの間の納税義務は免除されません。
・相続が発生した年の基準期間における「被相続人」の課税売上高に、「各相続人の民法上の相続分の割合」を乗じた金額が1,000万円以下の場合は、相続があった年の納税義務は免除されます。
※ただし相続人が課税事業者の場合、納税義務は免除されません
※相続があった年内に分割が確定した場合も同様です
(2)相続が発生した翌年または翌々年・・・(被相続人の課税売上高)×(民法上の相続分の割合)+(相続人の課税売上高)で判定される
・相続が発生した年の翌年または翌々年の基準期間における「被相続人」の課税売上高に、「各相続人の民法上の相続分の割合」を乗じた金額と「相続人の課税売上高」の合計額が1,000万円を超える場合は、相続があった翌年および翌々年の納税義務は免除されません。
・相続が発生した年の翌年または翌々年の基準期間における「被相続人」の課税売上高に、「各相続人の民法上の相続分の割合」を乗じた金額と「相続人の課税売上高」の合計額が1,000万円以下である場合は、相続があった翌年および翌々年の納税義務は免除されます。
※ただし相続人が課税事業者の場合、納税義務は免除されません
※その年の途中で分割が確定した場合も同様です
いずれの場合でも「課税売上高が1,000万円」を超えるかどうかで、「消費税」納税義務の有無が決まるようです。
場合によっては、生前に事業の相続をするほうが節税になる可能性も!早めに対策を考えておいたほうがいいかもしれませんね。
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2018年10月11日
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