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2019年から施行された「個人版事業承継税制」、その活用法とは?
中小企業の経営者や個人事業主が高齢化してきたことを受け、2019年度税制改正に盛り込まれたのが「個人版事業承継税制」です。後継者への円滑な事業承継を促進するべく「10年間の時限措置」として創設されました。
承継計画書を提出することで、相続税・贈与税の全額納税猶予が受けられる「個人版事業承継税制」とは一体どのような制度なのでしょうか?
制度を活用するためには?
後継者となる人はまず、下記の条件についてチェックする必要があります。
□ステップ1:
対象期間内であるかどうか
2019年1月1日から2028年12月31日の間に行われる相続・贈与が対象です。
□ステップ2:
(贈与税に関して)受贈者が贈与時において18歳以上かどうか
次に、検討しなければならないのは
□ステップ3:「小規模宅地等の特例」と「個人版事業承継税制」のどちらを選択するか
「小規模宅地等の特例」とは一言で言うと、事業用の土地であれば、400平方メートルまでは最大80%減税することができる制度で、「個人版事業承継税制」とは併用することができません。
検討し、「個人版事業承継税制」を選択すると決定した場合、2つの手続きが必要になります。
□ステップ4:
経営承継円滑化法に基づく認定を受ける
□ステップ5:
2019年4月1日から2024年3月31日までに個人事業承継計画を提出する
全額納税猶予となる対象資産は?
相続税の対象資産となるものは、青色申告書の貸借対照表に記載されている事業資産です。
・土地(面積400平方メートルまで)
・建物(床面積800平方メートルまで)
・機械・器具備品(工作機械・パワーショベル・ガソリン給油機・冷蔵庫・診断機器など)
・車両・運搬具
・生物(乳牛・果樹など)
・無形減却資産(特許権など)
この制度では生前贈与を促進するため、相続税だけでなく贈与税も納税猶予となります。ただし、贈与税の納税猶予中に贈与者が死亡した場合は、猶予されていた贈与税は免除された上で、贈与を受けた資産を贈与者から相続⼜は遺贈により取得したものとみなして相続税が課税されます。その際、都道府県知事の確認がなされることで、相続税の納税猶予を受けられます。
注意すべきポイントは?
納税猶予適⽤後は、原則として都道府県への報告(年次報告)はいりませんが、税務署へは3年に1度報告(継続届出)をする必要があります。
この制度は「あくまでも納税の猶予に過ぎない」ということが最大の注意点かもしれません。事業を継続している間は猶予されますが、廃止した場合には、利子税とともに相続税や贈与税の納付義務が発生します。
活用を検討する際は税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
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2019年07月17日
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