スタッフブログ
【セミナーレポート】CCIM JAPAN主催「CCIMが激白!withコロナ時代の不動産投資現場」前編
2020年8月21日、CCIM JAPAN主催のWEBセミナー「CCIMが激白!withコロナ時代の不動産投資現場」に、当社取締役の越 匠平が登壇しました。
IREM(全米不動産管理協会)は倫理的で高いスキルを持つCPM®(不動産経営管理士)の育成を目的に、1933年に米シカゴで設立。現在、世界に約2万人、日本に約800人の会員が在籍しています。CCIM JAPANではCPM®ホルダーを対象に、投資手法や考え方をさらに深く学ぶことができるCCIMコースを展開。「複数の投資を比較・選択し、投資を成功に導く」コンサルタントを育成しています。
当セミナーでは、CCIMホルダーである3名の不動産投資コンサルタントが登壇。コロナ禍でのマーケットや取引の状況、提案事例などについて語り合いました。
———————————————————————————-
―登壇者―
竹内 雄治さん(CCIM取得:2016年、CPM®取得:2015年)
投資コンサルタント
2020年度CCIM-JAPAN役員
大学不動産連盟CMC会世話人:明治大学駿台会
2012年、新卒で不動産会社に入社。PM事業部に配属され、東京(城東・城北エリア)、埼玉南部、千葉西部の管理を担当。2014年、アセットビルド代表・猪俣淳さんを通じてCPM®や投資分析について知ったのが、CPM®、CCIM取得のきっかけ。
現在はアセットビルドの投資コンサルタントとして、東京23区における収益不動産の売買仲介や、買取・バリューアップ・再販、建築・修繕のコンサルティングなどを行なう。
岩見 貴文さん(CCIM取得:2017年、CPM®取得:2015年)
専務取締役
2002年に地元北海道の不動産会社に入社し、賃貸仲介営業を担当。2009年、元上司に誘われてコンサルティングボックスの立ち上げに参画。創業当時は、営業のほか、総務、労務、経理、マーケティングを兼務した。
現在は専務取締役として、収益不動産の売買仲介のほか、PM部門のマネジメント、法務および業務改善を担う。
越 匠平(CCIM取得:2016年、CPM®取得2011年)
取締役
不動産業に6年従事する中で、情報格差を売り物にする業界の体質に違和感を覚え、2010年、川崎市高津区にてエヌアセットBerryを立ち上げた。主軸事業は、神奈川など首都圏の物件を中心とした個人投資家向けのアセットコンサルティング。アセットビルド代表・猪俣淳さんのセミナーで「物件購入の際には、投資分析、ものさしに当てはめて判断することが必要」だという言葉に感銘を受け、CPM®、CCIM取得に至った。
拠点は東京・神奈川・北海道。各社の取扱物件、顧客属性は?
――このイベントでは、コロナ禍における不動産投資現場の様子について激白いただきたいと思っています。
ご登壇のみなさんは、収益不動産の売買仲介を主軸事業とされていますが、東京、神奈川、北海道とそれぞれ拠点が違います。まず、各社の取扱物件の種類と、顧客属性について聞かせてもらえますか。
竹内:1棟マンション・アパートと区分マンションがそれぞれ半々ぐらいですね。1棟ものの6割が1億~1億5千万円前後の価格帯です。顧客属性は新規の投資家。セミナーや代表の書籍をきっかけに、個別相談の申し込みが入るケースが大半を占めます。
越:うちの会社は、1棟ものがほとんどです。そのうちの半分が1~2億円、半分が1億円以下の築浅・木造アパートとなっています。
お客さまの層は、投資家6割:地主4割。会社のある川崎市高津区は、もともと農家や地主が多い地域で、グループの管理会社と連携していることもあり、地主さんの比率が多いです。
岩見:当社の取り扱い物件は、購入の場合は2000~3000万円の木造築古アパートがほとんどですね。売却では、1億円前後の築浅物件を取り扱う時もあります。
顧客属性については、投資家が10割、うち北海道在住の方は9割です。北海道は、全国に比べてだいぶ後に開拓されたエリアなので、そもそも「先祖代々の土地を守る」という意識が薄いのかもしれません。
FCRは、東京<神奈川<北海道。投資シミュレーションでは6年~10年の出口を想定
――FCR(総収益率)の平均値と、お客さまへどのように提案されているのかもお聞きしたいのですが。
竹内:東京23区の城東エリアである葛飾区、江戸川区、足立区の物件のFCRは5~5.5%、城西エリアである世田谷区、杉並区は5%を切りますね。
提案時のシミュレーションには、不動産投資分析ソフト「REIFA(リーファ)」を活用しています。個人のお客さまが新築アパートを購入する場合、基本的には6~10年後に売却する想定でシミュレーションを作成します。例えば、40平米以上の区分マンションの場合、オーナーチェンジを図るよりも、リノベーションをすれば高値で売却できる可能性が高まり、市況の影響も受けにくい。このようなケースですと、5年目、6年目での売却を提案することもあります。
越:過去半年の実績のFCR平均値は6.5%です。内訳は、都内の新築、築浅物件がFCR4%、神奈川県の木造築浅物件が、表面利回り8%、FCR6%、築古になると表面10%でFCR7%台、といった感じですね。
提案については、当社も竹内さんと同じく、REIFAを使用しています。基本的には10年売却でシミュレーションを作成しています。
岩見:当社では、6年と10年の2パターンでシミュレーションを作成することが多いですね。6年という設定にしているのは、税金の関係からです。売却した年の1月1日現在で「所有期間5年超」の場合、長期譲渡所得となり、「所有期間5年以下」の短期譲渡所得に比べて所得税・住民税が20%近く安くなる。ですから物件は、6年は保有したほうがいいという考えが根底にあります。
FCRについては、ここ半年の取引物件の平均値は7.9%。「木造築古アパート2棟・3500万円」で7月に決済した物件には、表面利回り17.56%、FCR9.59%というものもありました。このケースのシミュレーションは
・賃料の下落率年2%
・全12世帯の年間の入れ替え率は2世帯(2LDK、3LDKのファミリータイプのため)
・退居後の空室期間は4ヵ月、広告料も4か月分
・年間の修繕費は内装費、設備投資で50万円
・年間の除雪費用は20万円
で作成しました。
――K%(ローン定数)はどんな感じですか?
岩見:実は、この物件はキャッシュで購入されているんです。もしローンを組んで購入した場合、レバレッジ的にはネガティブ判定になるかと思います。この物件のように、場所の悪い築古物件では融資が下りにくいので、北海道在住の投資家が地方銀行や信用金庫から10年で借入を行なった場合、LTV(借入金割合)90%、金利2.2%、K%は11.15%になります。これが15年の借入になれば、K%は7.83%でポジティブになるかと。当然、金融機関や顧客属性によるとは思いますが。
――なるほど。ともあれ、FCRの数値が「東京<神奈川<北海道」と想定通りになっているのは興味深いですね。
~後編につづきます~
エヌアセットグループ内にも現在、2名のCCIM、5名のCPM®ホルダーがおり、得た知識や視点を実務に生かしています。ご興味のある方はぜひ一度入会してみてはいかがでしょうか。
———————————————————–
当社では、不動産投資を中心とした総合的な資産運用・相続対策のサポートサービスをしております。ご質問やご相談などありましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
エヌアセットBerryのお問合せページはこちら
→「当社が考える不動産投資」はこちら
→お客様の声はこちら
2020年09月01日
- 不動産投資 (50)
- 関連制度・お役立ち情報 (91)
- 相続 (43)
- セミナーレポート (18)
- その他 (70)