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【セミナーレポート】3/24(土)生産緑地2022年問題が与える大きな影響!セミナー
エヌアセットグループでは、不動産や住まい、暮らし、相続などに関するセミナーを随時行っています。
先日3月24日(土)は『生産緑地2022年問題が与える大きな影響!セミナー』を開催しました。
「生産緑地」とは、三大都市圏内(首都圏・関西・中部)で指定された農地において、「30年営農すること」を主な条件に、固定資産税・相続税が大幅に抑えられている土地のことです。
国土交通省の資料によると、生産緑地の指定を受けた土地は全国に13,685ヘクタールも存在します。
現行の「生産緑地法」が施行されたのは1992年。
不動産バブル期に起きた地価高騰を抑えるため、都市部の土地の供給を増やす目的で行われたのがこの政策で、具体的には、農地の固定資産税を宅地並みに課すことで、農地所有者に農地から宅地への変換・放出を迫りました。
その一方、農業を続けたい人への配慮・都市環境の保全などの理由で条件付きの「生産緑地」制度が生まれました。
法律が施行された1992年から30年後となる2022年。
全体の約8割の土地指定が解除となり、所有者は農業を続けるか、自治体に対して買い取りの申し出をするか、宅地にするかなど土地利用の選択ができるようになります。
今回は、この2022年問題が「農地所有者の方に及ぼす影響」をテーマに、ご自身も都市農家でいらっしゃるNPO法人相続アドバイザー協議会理事長・平井利明さんにお話しいただきました。
農家・農地活用のコンサルタント・相続アドバイザーなど多くの肩書をお持ちの平井さん。
その講義内容は
・生産緑地が動く!2022年問題の実際は
・生産緑地と相続税納税猶予の基礎知識
・相続財産ポートフォリオの見直し
・生前準備から生前実行の事例
と生産緑地そのものだけでなく、相続や土地活用法など多岐にわたり、私たち不動産関係者にとっても大変貴重な120分間となりました。
すべてを掲載したいところですが、ここでは相続と関係する3つのポイントをピックアップしてご紹介します。
(1)生産緑地における「相続税・贈与税納税猶予の特例」とは
宅地化農地に比べ、生産緑地は「農地の転用に厳しい条件がつく」代わりに
・固定資産税、都市計画税が安い
・相続税・贈与税の納税猶予が適用される
という優遇がなされていました。
2022年、対象となる土地(すでに猶予されている土地も含め)は生産緑地の解除申し出はできるものの、これらの優遇は受けられなくなります。
また、生産緑地の所有者(主たる農業従事者)が亡くなった場合(相続発生)についても同様に、適用申請するか否かの選択が求められます。
(2)相続発生後【相続税の納税猶予の適用を受ける場合】:厳しい条件がつく!
所有者(主たる農業従事者)が亡くなった場合、相続税納付の対応としては主に
A.相続税の納税猶予の適用を受ける
B.現金などで納税
C.買い取り申請後に売却・納税
D.物納・延納
の、4つの選択肢が考えられます。
この時、最も安易に選択してはいけないケースがAです。納税猶予が適用される条件は
・農業相続人が終身営農をする
・3年ごとに「納税猶予の継続届出書」に「農業経営に関する明細書」を添付して、税務署に終生提出し続ける
・納税猶予額に見合う担保を提供する
など、かなり厳しいものになっています。
(※納税猶予の改正により、農地を他人に貸し付けることに関してはOK)
さらに、上記の条件などを守らず、納税猶予が打ち切られた場合は「遡り課税(猶予税額+利子税)」を納付しなければなりません。
例えば、相続税の納税猶予期間:15年・適用額:3億円だった場合、納税額は当初の約2倍に膨れ上がってしまうのです。
納税猶予を適用申請するには相続人・家族共に相当の覚悟が必要となります。
(3) 相続発生後【生産緑地の売却代金で相続税を納付する場合】:早めのアクションが不可欠
上記(2)の「C.買い取り申請後に売却・納税する」場合も注意が必要です。
なぜなら、相続税は相続発生から10か月までに納付しなければなりません。
生産緑地の「買い取り申請」をした場合、
・1か月後:行政側の「買い取る」「買い取らない」の通知
・~3か月後:「買い取る場合:買い取り成立」、「買い取らない場合:生産緑地の解除」
と、それだけで3か月も時間を有してしまいます。
さらに国士法の届け出や売買契約締結などをするとなると、納付期限に間に合わなくなってしまう可能性があります。
また、買い取り申し出に必要な書類も「生産緑地買い取り申し出書」「主たる従事者証明」や土地登記簿謄本など10種類以上にも及び、揃えるだけでも大変な作業。
可能な限り、早めの決定と実行が不可欠です。
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「所有している生産緑地を、将来起こる相続を見据えてどうしていくべきなのか。それには現在の資産ポートフォリオの把握とともに生前の準備・実行が肝である」ことを力説された平井さん。
また、揉め事とならないために大切なのは
・資産の見える化・分けやすく化・使いやすく化
であり、その具体策として
・不動産を金融資産に換える
・土地再生・価値創造を行う(道路築造や投資物件の建築など)
ことも挙げていらっしゃいました。
平井さん、事例を交えた大変わかりやすい講義をありがとうございました!
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2018年03月28日
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