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民法改正(相続分野)の要綱案、国会に提出へ

関連制度・お役立ち情報相続

法律

先日、民法改正の相続分野に関する要綱案が発表されました。
こちらは1月22日から開幕された国会へと提出されます。

 

死後、配偶者に居住権 法制審が要綱案(日本経済新聞・2018年1月16日)

「かわさき相続サポートセンター エヌアセット」
も併設している当社としては、まさにニュースな出来事です。

 

相続分野に関する民法の改正は、1980年(昭和55年)に配偶者の法定相続分を「3分の1」から「2分の1」に引き上げられて以来、約35年ぶりだそう。

 

その間、急速に高齢化が進み、相続においても「残された配偶者の生活保護」が課題となりました。今回の改正は、このような社会背景を受けてのことのようです。

 

それでは、今回の要綱案の主なポイントをピックアップしてみましょう!

 

◇ 配偶者居住権
現行法での問題点は「残された配偶者が家から追い出される」ことが発生したこと。
特に遺産における家の評価額の割合が高いと、遺産分割の問題で売却を余儀なくされる、配偶者は預貯金など他の財産を十分に分割されず、生活が苦しくなり、結果、相続した家の所有権を手放すといったケースがありました。

 

これを受け、要綱案では「所有権」のほかに「居住権」を新設。
例えば、長男など配偶者以外に家が贈与されたとしても、配偶者は居住権を与えられ、その家に住み続けられるようになります。

 

「長期居住権」は、遺言での記載、または遺産分割協議で合意があったときに認められます。この長期居住権は、金銭的価値に換算し、その分は配偶者の相続分から控除します。
「短期居住権」は、被相続人が亡くなってからの一定期間、無償で住み続けることができる権利で、遺産分割の対象とはなりません。

 

◇遺産分割
20年以上婚姻関係のあった夫婦の場合、配偶者が家を「生前贈与」された、もしくは「遺言で贈与の意思」が記載されていた場合、その家は遺産分割の対象外となります。

預貯金など他の財産の配偶者の取り分が増えることになります。

 

◇自筆証書遺言
遺言には主に、公証役場で作成する「公正証書遺言」と被相続人が自分で作成する「自筆証書遺言」があります。
参照:不動産・相続女子プロへの道(7)無断開封すると罰金発生?!あなたの知らない「遺言書」

改ざんや紛失を避けられるが、手間や人手のかかる「公正証書遺言」に比べ、手軽に作成できる「自筆証書遺言」ですが、その名のとおり、すべてを自筆で書かなければならず、特に高齢者にとっては負担の大きいものでした。
また、紛失のほか、「死後誰にも発見されない」「内容の不備で無効になる」「第一発見者に書き換えられる」などのリスクもはらんでいました。

要綱案では
・「財産の一覧」に限りパソコンでの作成が可能になる
・全国の法務局で保管できるようにし、相続人がその存在を確認することができるようになる

の2点が示されました。

―――――――――――――――――――
その他、
・相続の対象にならない人であっても、被相続人の介護や看病に尽くした人が相続人に金銭を請求できる
・遺産分割の協議中であっても、葬儀費用や生活費のための費用を、預貯金から仮払いできる

 

などの事項が盛り込まれているもよう。
まさに時代に合った内容。争続を避けるためにも一刻も早く改正し、施行してほしいものですね。

 

相続に関してご相談のある方はぜひお問い合わせください。

 

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2018年01月31日

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