スタッフブログ
知らないでは済まされない?!仮想通貨の課税について
投資で億単位の資産を築く“億り人”をたくさん生み出したとされる仮想通貨。
その利益にも税金はしっかり課せられます。
国税庁は2017年4月、タックスアンサー上で
「ビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります」と明記。
2017年12月には、国税庁は個人課税課情報として「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」というニュースリリースを出しました。
今回はこの資料から「仮想通貨の課税」について紐解いていくことにします。
仮想通貨で得た所得の種類と税率は?
上記によると、仮想通貨の売却益は基本的に「雑所得」となり、会社員であっても「20万円以上の売却益」があった場合は確定申告が必要だそう。
株やFXとは違い租税特例措置がないため、累進課税制度がそのまま適用されます。
国税庁ホームページの所得税早見表によると、課税される所得金額と税率は・・・
◇195万円以下 5%
◇195万円超 330万円以下 10%
◇330万円超 695万円以下 20%
◇695万円超 900万円以下 23%
◇900万円超 1,800万円以下 33%
◇1,800万円超4,000万円以下 40%
◇4,000万円超 45%
こちらに、住民税が10%上乗せされ、最大55%の税率になります。
売却だけでなく「商品の購入」や「仮想通貨との交換」でも課税対象に
では、実際に所得課税されるのはどういうケースなのでしょうか?
上記ホームページによると、実は仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合だけでなく、仮想通貨で商品を購入した場合や別の仮想通貨に交換した場合もその差額が所得金額になるそう。
主な事例※金額は一例です
(1) 仮想通貨Aを売却した場合
【売却価格 500万円】-【仮想通貨Aの取得金額 100万円】=課税所得 400万円
(2) 仮想通貨で商品を購入した場合
【商品購入金額 500万円】-【仮想通貨Aの取得金額 100万円】=課税所得 400万円
(3) 他の仮想通貨Bに交換した場合
【仮想通貨Bの購入金額 500万円】-【仮想通貨Aの取得金額 100万円】=課税所得 400万円
仮想通貨による損失は他の所得と通算することができない
国税庁のリリースでは、仮想通貨による損失について「雑所得以外の他の所得と通算することができない」と明記してあります。
不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得は通算ができるが、雑所得はできないとのこと。
そうすると、どんなに仮想通貨で多大な損失が出たとしても、給与所得など他の所得による所得税は支払わなければなりません。
その他、下記についても明示されています。
◆仮想通貨の分裂があり、新たに仮想通貨が付与されたときの所得
→付与された時点では所得にならない。それを売却または使用した時点において所得が生じる
◆仮想通貨をマイニングにより取得した際の計算方法
→仮想通貨は、すべての取引記録を取引台帳に追記する作業が発生します。マイニングとは、この追記作業の手伝いをしてくれた人などへの見返りとして支払われる新規発行の仮想通貨のこと。
この所得は【マイニングによる収入金額-一連の作業の必要経費】で計算されます。
さて、もし、確定申告をしなかったら一体どうなるのでしょう?
国税庁ホームページNo.2024 確定申告を忘れたときによると、
「期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。」
と明記。また、延滞税も取られるとのこと。
これでは仮想通貨の変動によっては、儲けるどころか、マイナスに転じてしまう可能性も。
納税義務を無視したときのペナルティは相当厳しそうです。
不動産をはじめ、投資全般に関して疑問のある方はぜひお問い合わせください!
2018年03月07日
- 不動産投資 (50)
- 関連制度・お役立ち情報 (91)
- 相続 (43)
- セミナーレポート (18)
- その他 (70)