スタッフブログ
税金がゼロになる!?10年限定「事業承継税制の特例」とは
少子高齢化への対応などを背景に行われた、平成30年度税制改正。その目玉のひとつが「事業承継税制の特例」です。
経済産業省中小企業庁のデータから抜粋すると、
■今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の約3割)が後継者未定
■現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性がある
とあり、円滑な事業承継を後押しするのが国の急務とされています。
そこで、2018年1月1日~2027年12月31日までの10年間、事業承継に係る贈与税または相続税に対して、特例措置がなされることとなりました。
「事業承継税制の特例」主な改正内容
事業承継についてはもともと優遇税制があったもの、その条件が厳しく、制度も難解なため、ほとんど活用されていないのが課題でした。
そうした現状をふまえた、今回の改正点は主に5つあります。
(1)納税猶予の対象株式数が無制限になり、これにかかる相続税が全額猶予される
現行制度では、発行済株式の3分の2までしか猶予にならず、相続税の猶予についても80%でした。
(2)納税猶予継続のための雇用確保要件が大幅に緩和される
現行では、「承継後5年間で平均8割以上の雇用を維持できなければ納税猶予は打ち切り」とされていましたが、特例制度では、これが達成できなくても所定の書類を提出すれば、猶予を継続することができます。
(3)適用対象者が拡大し、承継パターンが多様化する
現行では、1人の先代経営者から、1人の後継者への贈与のみが対象でしたが、特例制度では、最大3人までの後継者を対象とすることができます。
(4)一定の要件を満たせば、納税猶予株式の譲渡(M&A)、合併、解散などについて納税額の減免措置を取ってもらえる
現行では、事業承継時の株価を基に贈与税額、相続税額を算定し、猶予取り消しとなった場合は、そのすべてを納税する必要がありましたが、特例では、売却・廃業時の株価を基に納税額を計算し、減免することができます。
(5)推定相続人以外の、特例後継者への贈与についても、相続時精算課税制度の適用が可能になる
納税猶予が打ち切りとなった場合でも税負担リスクが軽減され、事業承継がしやすくなります。
気になるデメリットは?
一見、いいことづくめな印象を受ける特例制度ですが、デメリットがあるという声もちらほら。
最も多く聞かれるのは、
会社オーナーの相続前(生前)に「特例承継計画書」を提出する必要があるが、現状、この計画をつくれる税理士が少ない(専門家不足)
ということです。
これまであまり使われていなかった制度ですから、当然といえば当然かもしれません。
当社では、不動産投資事業に加え、かわさき相続サポートセンターエヌアセットの運営を行っており、強固な税理士ネットワークがございます。
税理士のご紹介や、相続に関する疑問や不安などありましたらどうぞお気軽にお問い合わせください!
かわさき相続サポートセンター エヌアセットのお問合せページはこちら
エヌアセットBerryのお問合せページはこちら
→「当社が考える不動産投資」はこちら
→お客様の声はこちら
2018年07月18日
- 不動産投資 (50)
- 関連制度・お役立ち情報 (91)
- 相続 (43)
- セミナーレポート (18)
- その他 (70)