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低金利時代に知っておきたい!「外貨建て金融商品」の特徴とリスク
超低金利と言われている現在の日本。そうした中、外貨に目を向ける人の数は年々増加しており、個人(家計)の外貨預金の残高は2018年末時点で7兆円と過去最高を更新しました(日本銀行「資金循環統計」より)。
今回は、資産運用法の選択肢の1つとして注目を集める「外貨建て金融商品」の概要と保有リスクについて説明します。
外貨建て金融商品の種類と特徴
国内で扱われている外貨建て金融商品には、多種多様な種類があります。代表的な商品の特徴について紹介します。
(1)外貨預金
ドルやユーロなどの外貨建てで行う預金。利息は利子所得、為替損益は雑所得で総合課税(為替予約をつけている場合は源泉分離課税)となる。
(2)外貨MMF(Money Market fund)
外貨建ての公社債などで運用する投資信託。申込手数料が無料で、ペナルティなしで換金できるため、高い流動性がある。売却益(為替差益)は、譲渡所得として課税される。
(3)外国債券(円建て外債、ユーロ円債、二重通貨建て外債など)
発行者・発行場所・通貨のいずれかが外国である債券。証券会社で外国証券取引口座を開設する必要がある。税法上、外債は特定公社債のため、利息は利子所得として課税される。
(4)外国株式
外国籍の企業が発行している株式。証券会社で外国証券取引口座を開設しないと、取引ができない。米国株の場合、配当は米国で課税され、日本では外国税額控除される。売却益は申告分離課税となる。
(5)外国投資信託
外国で、その国の法令に基づいて設立される投資信託のこと。その多くは、外貨建てだが、円建ての商品もある。日本の株式に投資するファンドでも、海外で設立されたものは外国投資信託となる。
(6)海外ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)
ETFと投資信託の違いは、証券取引所を通じて取引するかどうか。ETFは、株式のようにいつでも取引ができる。手数料は投資信託に比べて比較的安い。
海外ETFで配当による分配金が出た場合は、海外で課税されるが、国内では外国税額控除の適用を受けることができる。売却益は、譲渡所得で申告分離課税となる。
(7)海外為替証拠金取引(FX)
先物取引の一種。証拠金を出して別の通貨を購入する、ハイリスク・ハイリターンの取引である。
収益は「先物取引に関わる雑所得」となり、損が出ても他の所得との損益通算はできない。また、申告分離課税のため、確定申告が必要。
外貨建て金融商品を保有する“リスク”とは
外貨建て金融商品を保有する時、念頭に置いておきたいのが「為替リスク」です。
例えば、ドル建てで外貨預金を行った場合。預けていた期間に円高が進行すれば、金額は目減りし(為替損益)、逆に円安が進めば利益が出ます(為替差益)。
具体例で示してみると、
1ドル110円の時に、110万円をドル建てで預金し、口座残高は10000ドル
↓
満期もしくは円に替えて受け取るタイミングが
・1ドル115円だった場合……口座残高は115万円となり、5万円の為替差益
・1ドル100円だった場合……口座残高は100万円となり、10万円の為替損益
となります。
為替変動の主な要因
為替レートが変動する主な要因は
(1)ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)
経済成長率、景気・物価・金利の動向など
(2)政策要因
金融・通貨・財政政策など
(3)その他
自然災害や軍事衝突など
この3つが複雑に絡み合いながら、需給相場を変動させていきます。
これまでのドル・円レートを見てみると、通常は日米の長期金利差が縮小するにつれ、ドル売り・円買いの取引が増加し、円高・ドル安が進む傾向にありました。
しかし、新型コロナの影響で世界的な金融不安が高まる2020年9月現在では、基軸通貨であるドルへの需要が強まり、ドル買い取引が増加傾向に。金利差の縮小を反映せずに推移することもありえます。
為替レートの仕組み
最後に、円と外貨の交換レートの仕組みについて紹介します。
為替レートには、
・TTM(対顧客電信仲値)……金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレート
・TTS(対顧客電信売相場)……金融機関が顧客に外貨を売る際の「TTMに手数料を足した」レート
・TTB(対顧客電信買相場)……金融機関が顧客から外貨を買う際の「TTMから手数料を引いた」レート
があります。
為替変動がない場合は、TTSとTTBの差がそのまま為替手数料となります。ただし、この差は、通貨や金融機関によって異なるため、注意が必要です。
資産形成の基本は「長期・積立・分散」投資とされ、分散投資として、日本を上回る経済成長が見込まれる国や地域の金融商品を保有することは、手堅い選択と言えるでしょう。
一方で、特に新興国の場合は、ファンダメンダルズに問題があるケースもあります。保有する際には、対象国・地域の経済動向や金融情勢をしっかり見極めることが肝心です。
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2020年10月05日
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