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不動産特定共同事業法(2)新設された「小規模不動産特定事業」と「クラウドファンディング」
前回の記事では不動産特定共同事業法の改正のポイントとその背景についてお話しましたが、今回は、新しい概念として加えられた「小規模不動産特定事業」と「クラウドファンディング」について詳しくご紹介します。
「小規模不動産特定事業」とは
これまでハードルが高く、不動産特定共同事業に参入できるのは大手不動産会社がほとんどでした。
その門戸を拡げるために要件を緩和したものです。
今年6月からすでに開始されている募集要件は下記の通り。
<要件>
・法人であること
・宅地建物取引業法の免許を受けていること
・役員又は政令で定める使用人が成年被後見人・破産者等ではないこと
・資本金又は出資の額が、1 千万円以上であること
・資産の合計額から負債の合計額を控除した額が資本又は出資の額の 100 分の 90 に相当
する額を満たすものであること
・小規模不動産特定共同事業における業務管理者の要件を満たす者がいること
出典:小規模不動産特定共同事業を活用した遊休不動産等の再生事業の具体的検討に向けた専門家派遣等の支援事業
この規制緩和によって、不動産特定共同事業法に基づいた資金調達がしやすくなり、地方を含む全国各地で空き家・空き店舗の再生事業の推進が見込まれます。
「クラウドファンディング」活用に関する法整備
これまでの不動産特定共同事業法では、不動産特定共同事業契約が成立する前や成立時の書面をインターネットで交付することは認められていませんでしたが、今回の改正では、インターネットで交付が可能になりました。
これにより、クラウドファンディングもこの不動産特定事業において、活用できることとなります。
しかし、そもそもこの「クラウドファンディング」。一体どんなものなのでしょうか?
ウィキペディアによると、クラウドファンディング(英語: Crowdfunding)とは、
不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。
企画内容は、「廃校を活用する」など地域振興のためのもの、教育や生活困窮者の支援のためのもの、芸術・文化を広めるためのものなど、さまざまです。
目標金額を設定して、その金額に達しなければ提供した資金が戻ってくる「All or Nothing(オールオアノッシング)型」と目標金額に関わらず、提供を受けた資金を受け入れる「All-In(オール・イン)型」に分かれ、さらに、資金提供に対して、「見返り」の有無や内容によって、
・寄付型……見返りを求めない
・購入型……一定の製品やサービスが得られる機会が得られる
・投資型……提供した以上の金額が得られる機会が得られる
に分かれます。
矢野経済研究所の国内クラウドファンディング市場の調査(2016年)によると、
クラウドファンディング市場規模は、年々拡大しており、2016年度では「前年度比で31.5%増の477億8,700万円を見込む」との記載も。
国はこのクラウドファンディングを活用することで、空き家再生・不動産市場の活性化を目指しています。
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この法改正をきっかけに不動産事業の多様化・小口化が飛躍的に進み、今後不動産が多くの人にとってより身近な存在になっていくと思います。
こうした時代の波に乗るべく、当社取締役の越は、不動産証券化マスターの一次試験に合格し、二次試験に向けて猛勉強中です。
当社スタッフはこれからも一丸となって、皆様のお役に立てるよう精進していきます。
不動産投資に関して疑問などございましたら、
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2017年11月29日
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